修学旅行生との一問一答
1 この美術館を造ろうと思った理由
トリックアート美術館は、先代オーナーである故荒田祐昭が設立したのですが、
この美術館を作ろうと思った理由は、以下の2点聞かされております。
まず、この美術館の計画がもちあがった時、
日本はバブル経済という空前のお金ブームに沸いておりました。 多くの日本人が、株や土地などの値上がりで、お金に踊らされていた時代です。 先代オーナーは、この風潮を疑問に捕らえていました。
お金お金というけれども、私たちは父母、おじいさん、おばあさんが寒い中着るものも着ず、
食べるものも我慢して、血と汗と涙を流しながら泥まみれで一生懸命に頑張ってくれたお陰で、
川から水を汲んで薪を炊かなくても、蛇口をひねればお風呂に入ることができる、
雪や風が吹き込んでこない家に住むこともできる、
飢えるどころか、食べすぎをお医者さんに注意されるくらい、お腹いっぱいに食べることができる。 昔であれば、お殿様でもできない生活をさせていただいている。 一番大切なのは、お金でも物でもなく、心ではないだろうか?
そこで、自分の好きな絵画を、老若男女を問わず(特に子供達)に、観て、触れて、
もっと身近なものとして感じ・学び、芸術に興味を持ってくれれば、という考えがありました。 当時美術館と言うと、絵をよく見るために額縁に顔を近づけただけでも、
監視員の方に注意されるところばかりでした。 なかなか小さな子供と一緒に楽しむことはできなかったのです。 先代オーナーは、芸術とは我々と切り離された特別なものではない。 見るだけではなくて、触ったり、写真に撮ったり、遊んだりできるようなものにしたい、
ということからトリックアートにたどり着きました。
ふたつめとして、先代オーナーは地域のことをとても考えていました。 都会が発展するのも、地域で人を育てて送り込むことができるからだと考えていました。
今、都会の税金を地方にばらまいているという批判が行われるケースがございますが、
そもそも都会で働いて税金を納めている者の多くが、地方から働きに出ている方々です。 私自身もそうでしたが、北海道のお金で運営されている病院で生まれて
怪我や病気も治してもらい、北海道のお金で作られ除雪された道を通って学校に行き、
北海道のお金で作られ運営されている学校に通って働く能力を身につけ、
そして東京に行って働いて、そこで税金を収めていました。 都会に多くの税金が集まるのは、地域で多くの人が育てられているからこそと考えていました。
しかし今は、地域には仕事が少ないために人はどんどん都会に行ってしまいます。 このままでは、地域が疲弊してしまう。 地域が疲弊してしまうと、都会に人材を送り込むこともできなくなって、
ついには国全体が衰退してしまうと考えていました。
「人のいないところに人を呼ぶ。 人を呼べば雇用が生まれる。 雇用が生まれれば地域が維持される。」
という信念から、この地域にどうやって人に来てもらうかということを、ずっと考えていたようです。 上記の2点の観点から、トリックアート美術館が設立されました。
2 美術館の歴史
平成6月6月18日にフランス大使館総領事 御夫妻 Mr. & Mrs. Dejaegher(ドゥヤゲール御夫妻)、
イタリア グレーヴェ・キアンティ市長 Mr. Paolo Saturnini(サトゥルニーニ市長)、
イタリア グレーヴェペーサワイン工場社長 Mr. Luigi D'Agnolo(ダニョーロ氏)、
その他、北海道知事や支庁長の代理の方や、近隣市町村長などを来賓に招いて、
オープニングセレモニーを開催いたしました。 その後は皆さんに愛されて、お陰さまで平成16年8月には、入館者数100万人を突破いたしました。 何度も繰り返し来て頂ける方も大勢いらっしゃり、今では北海道の人口の5人に1人に匹敵する数の
お客様に来館していただいております。
3 陳 西瑜さんに、絵を描いてもらおうと思った理由
人の心を動かす絵というものは、誰にでも描けるものではありません。 陳先生に出会えたことは、私たちにとって、とても幸せなことでした。 当時劔重さんという方が、トリックアート美術館というコンセプトを立ち上げて、作成されていました。 陳先生は、劔重さんの下、美術責任者として当社にいらっしゃいました。 そこで先代オーナーに出会い、その思想に意気投合し、
またこの地域の自然や環境をとても気に入っていただけたことから、
この地で絵の創作をしていただけることになりました。 陳先生は、トリックアートだけではなく様々な絵の展覧会で高い評価を受けております。
4 その他、美術館が出来てからの裏話など(ここだけの話みたいなもの)
オープンしてからしばらくの間、「トリックアート」と「だまし絵」はどう違うのか?
というお客様からの質問が多く、担当者は回答に苦慮したようです。 当館の絵は、芸術品としてみていただいても、トリックやだまし絵として見ていただいても楽しめます。 ですから、次に来たときは、前回気づかなかったところに気づいたりして、
更に楽しめるようになっております。(ヒントにあることが全てではありません。)
ここだけの話とすると、オープンしたときに飾ってあった絵は、今は一枚も展示しておりません。 全て新しい絵に切り替わっています。 陳先生が、常時作品を作り続けているからです。 今では美術館1館分以上の在庫がありますので、この在庫を使って、
もっと色んなところでトリックアート展を開催して、より多くの方々にトリックアートに
触れていただくことはできないかと考えております。
(2008年冬には札幌ノルベサにてトリックアート展を行いまして、ご好評を頂きました。)
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