この度は、当館における観覧車建設にあたり、色々とご心配をおかけいたしておりますこと、お詫び申し上げます。

私と致しましては、オホーツクにて360度流氷という景色を見たら人生観が変わったという話をラジオで聞いたことがあるのですが、こちらにて観覧車に乗って頂き、360度丘陵の風景を上から見て頂く、丘がうねっている上を雲の陰が流れて行くという景色を見て頂くことは、決してそれに負けないものになると信じております。

反対されていた方々とお話しさせて頂きまして、約束させて頂きましたことは、もしこの施設を魅力あるものにできなく、運行を止めるようなことが生じた場合には、それが立って錆びれていくようなことはせずに、速やかに撤去するというものです。 皆様におかれましては、どうかここからの景色をご覧になってご判断頂きたいと思います。

我々はできることを考えて考えて、やっていかねばならないと思っております。 できることよりできないことの方が圧倒的に多い。 だからこそ、できることは怠けずに、それぞれが頑張ってやっていかねばならないと考えております。 今回も、少なからぬ人たちのご支援、ご協力があればこそ、ここまで来れたわけであり、その期待を裏切るわけにはいきません。

経済合理性から判断した場合、今の時代はあらゆる事業を止める事に勝る判断はありません。 これは私ども零細企業のみならず、上場企業のPBRが1倍を切っているという状態がそれを証明していると思います。 そして、それであれば止めろ!というご意見も頂戴いたしました。 しかし今は、そうする訳にはいかないと考えております。

人口も、観光客も、経済活動も、あらゆるものが縮小していくと予想されておる当地において、それらを何もせずに受け入れること、子供達に受け入れさせることはできないと考えております。 何かをすることに責任が伴うことは当然ですが、何もせずに生じるであろう結果に対しての責任も存在すると思われ、その場合の責任は誰が負うこともありません。 そうであればこそ、今回、することによる責任を負う決断をしたものであります。

今回一番辛いのは、この件に賛成し、協力してくださっている上富良野の町民は、何もわかっていないのではないかというご指摘です。 そうではありません。 ここで生まれ、育った人たちが、一番誇りに思い、自慢しているのが景観です。 それを、より多くの方々に知っていただくことができる、見ていただくことができると信じて、賛成してくださっているのです。

当然今後においても、上富良野の魅力を伝えることこそ、最も大切なことだと考えております。 (ロンドンなどは、景観保持には最も保守的な街の一つですが、数年前にロンドンアイという130mの観覧車ができました。みんなで大切に育んでいる景観を、ここから見てもらおうという視点の創出という発想です。) 更に、今回やろうとしていることも決して不可逆的なことではなく、明らかに町にとっても我々にとっても不要であったという結論が出た暁には撤去できるものです。

いずれにしても、この計画により落胆されていらっしゃる方々がいらっしゃるということは紛れもない事実であり、それらの方々には重ねてお詫び申し上げる次第です。 合わせて、是非ともここからの景色を眺めて頂きたいと願うものです。

深山峠アートパーク 荒田政一